ストレッチをけっこう続けているのに身体が柔らかくならない、、、
「毎日ストレッチしているのに、なかなか身体が柔らかくならない……」
「前屈をしても手が床に届かない。もっと強く伸ばしたほうがいいのかな?」
こんなお悩みはありませんか?
身体を柔らかくしようと、毎日コツコツとストレッチを続けているのに、なかなか変化が感じられないと、少しがっかりしてしまいますよね。
でも、ちょっと待ってください。
身体が硬い原因は、筋肉が硬くなっていることだけではありません。
ストレッチの方法や身体の使い方によっては、頑張って伸ばしていても、思うように柔軟性が高まらないことがあります。
今回は、ストレッチをしても身体が柔らかくならない理由と、柔軟性を高めるために知っておきたいポイントをご紹介します。
ストレッチしても身体がやわらかくならない3つの理由
① 筋肉や皮膚、隣の筋肉などが関係している
身体を動かすときには、ひとつの筋肉だけでなく、周りにある筋肉などと連携して動きます。
このときに表面の皮膚の柔らかさや隣合う筋肉の状態によって、関節を動かせる範囲が変わることがあります。
例えば、太ももの裏側が硬いと感じる人が前屈をしたとき、太ももの裏側の筋肉や皮膚、連携する腓腹筋(ふくらはぎ)などが動きを制限している場合があります。
単純に太もも裏の筋肉が縮こまって硬いのであれば、適切なストレッチを継続することで、柔軟性の改善が期待できます。
ただし、硬いからといって必ずしも筋肉そのものが短くなっているとは限りません。
身体の硬さには、筋肉以外の要因も関係しているのです。
② 伸ばされたときの感覚に慣れていない
実は、柔軟性には「身体の組織がどこまで伸びるか」だけでなく、「どこまで伸ばされることを許容できるか」も関係しています。
例えば、前屈をしたときに太ももの裏側が強く引っ張られると、それ以上動くことに抵抗を感じる場合があります。
この感覚には、神経系の働きも関係しています。
ストレッチを継続すると、伸ばされたときの感覚に慣れ、以前よりも動ける範囲が広がることがあります。
つまり、ストレッチの効果は、筋肉や腱などの組織が変化することだけでなく、伸ばされる感覚への慣れによっても生まれるのです。
そのため、身体が硬いからといって、無理に強く伸ばす必要はありません。
むしろ、心地よく伸びを感じられる範囲から始めて、ストレッチの痛みに慣れていくことも大切です。
③ 関節の動きや身体の使い方が影響している
身体の柔軟性を考えるとき、見落としがちなのが関節の動きです。
例えば、前屈が苦手な人の場合、太ももの裏側だけでなく、股関節や骨盤、背骨の動きが関係していることもあります。
前屈は、単に筋肉を伸ばす動作ではありません。
股関節を曲げたり、骨盤を動かしたり、背骨をしなやかに動かしたりと、身体のさまざまな部分が協力して行う動作です。
そのため、筋肉を一生懸命に伸ばしていても、股関節をうまく動かせていなければ、思うように前屈が深まらないことがあります。
柔軟性を高めるには、筋肉を伸ばすだけでなく、関節の動かし方を覚えることも大切なのです。
柔らかくなる人と、なかなかならない人の違い
では、同じようにストレッチをしていても、柔らかくなる人となかなか変化が出ない人がいるのはなぜでしょうか?
その違いを考えるうえで、3つのポイントがあります。
① ストレッチの強さは適切か
身体を柔らかくするために、痛みを我慢しながら強く伸ばしていませんか?
強く伸ばせば伸ばすほど、柔軟性が高まるわけではありません。
痛みを我慢して無理に伸ばすと、身体に余計な負担がかかったり、筋肉が反射的に緊張したりすることもあります。
まずは、気持ちよく伸びを感じられる程度から始めてみましょう。
呼吸を止めず、身体の力を抜きながら行うこともポイントです。
② 1回の時間や頻度は適切か
ストレッチは、1回に長時間行えばよいというものではありません。
大切なのは、無理のない範囲で継続することです。
例えば、1週間に1回だけ長時間ストレッチをするよりも、短い時間でも定期的に身体を動かすほうが、習慣にしやすい人もいるでしょう。
まずは、1つの部位を20〜30秒程度、週3回くらい気持ちよく伸ばすことから始めてみてください。
ただし、適切な時間や頻度は、ストレッチの種類や目的によっても異なります。
ざっくりと、下半身の大きな筋肉は10秒×3セット、上半身の小さめの筋肉は10秒×1~2セットを目安にしてみて下さい。
③ 過剰な柔軟性を求めていないか
「開脚180度やりたい」「前屈で手の平がべったり着くようになりたい」「バレリーナのように脚が上がるようになりたい」と、憧れる気持ちはわかりますが、これら全部、一般の人にはまったくおすすめできない過剰な柔軟性です、、(__)
身体は柔らかければいいというものではなく、ある程度の硬さがあるほうが疲れにくいしケガもしにくいです。
例えば、前屈なら、指先が床につけば十分ですし、開脚が180度できなくても日常生活にはまったく問題ありません。このような数字目標はわかりやすくて良いのですが、それよりも、痛みなく動けているか、肩こりや腰痛で低下していたパフォーマンスがどう変わっているか、といった身体感覚の変化も目安にすると良いかと思います。
その前提の上で、「身体が硬いから腰の痛みにつながっている」と言われたり、「友人は毎日ストレッチしていて身体も柔らかく、いつも元気そうで羨ましい」と感じ、ストレッチを取り入れているのに、なかなか柔らかくならないと感じている方も多いと思います。
次の章では、柔軟性を高めるために大切なことをお伝えします。
柔軟性を高めるには、伸ばすだけでなく動かすことが大切
ここまで、身体が硬くなる理由や、ストレッチを行うときのポイントをご紹介しました。
では、柔軟性を高めるためには、具体的に何をすればよいのでしょうか?
おすすめしたいのは、「伸ばす」「動かす」「使う」の3つを組み合わせることです。
① ストレッチで動く範囲を広げる
まずは、硬さを感じる部分を無理のない範囲で伸ばしていきましょう。
例えば、前屈が苦手な人なら、太ももの裏側やお尻の筋肉などをストレッチする方法があります。
ただし、前屈が苦手だからといって、必ずしも太ももの裏側だけを伸ばせばよいとは限りません。
ご自宅でおこなうセルフストレッチなら、お尻、太もも裏、ふくらはぎ、脊柱起立筋などをストレッチするのがよいでしょう。
トレーナーがおこなうパーソナルストレッチなら、ターゲットとなる筋肉の緊張を取り除くことや、隣り合う筋肉との「滑走性」の改善、一見まったく関係なさそうな肩甲骨まわりの可動域改善をおこなうことで、前屈をふくめた全身の柔軟性を高めていきます。
どこが動きを制限しているのかを考えながら、身体の状態に合ったストレッチを選ぶことが大切です。
② 関節を動かす練習を取り入れる
ストレッチに加えて、関節を自分の力で動かす練習も取り入れてみましょう。
例えば、股関節を前後に動かしたり、背骨を丸めたり反らしたりする運動です。
こうした運動を行うことで、身体をさまざまな方向に動かす感覚を身につけることができます。
大切なのは、ただ筋肉を伸ばすことではなく、関節をスムーズに動かせるようにすること。
身体を動かす機会が少ない人ほど、ストレッチだけでなく、普段あまり行わない動きを取り入れてみるのもよいでしょう。
③ 広がった動く範囲を自分の力で使う
もうひとつ大切なのが、広がった動く範囲を自分の力で使えるようにすることです。
例えば、ストレッチをすると脚が大きく開くのに、実際に脚を持ち上げようとすると、思うように動かせないことがあります。
これは、柔軟性があることと、その範囲を自分の力でコントロールできることが、必ずしも同じではないためです。
身体を大きく動かせるようになっても、その範囲をうまく使えなければ、日常動作や運動の中で十分に活かせない場合があります。
そのため、ストレッチや関節を動かす練習に加えて、スクワットや脚上げなど、自分の力で身体を動かす運動を取り入れるのもおすすめです。
あえて階段をつかったり、いつもより大股歩きをするだけでも普段と違う筋肉が使われます。
無理のない範囲から始め、少しずつ動きをコントロールできるようにしていきましょう。
まとめ:身体が硬いからといって、もっと伸ばせばいいとは限らない
ストレッチをしているのに身体が柔らかくならない場合、考えられる原因はひとつではありません。
筋肉や皮膚、隣の筋肉などの組織の状態、
伸ばされたときの感覚への慣れ、
関節の動きや身体の使い方、
ストレッチの強さや頻度、
こうした要因が組み合わさって、身体の動きに影響していることがあります。
だからこそ、身体が硬いと感じたときに、ただ強く伸ばすことだけを考える必要はありません。
大切なのは、「どこが硬いのか」だけでなく、「なぜ動きにくいのか」を考えることです。
筋肉を伸ばすことが必要な場合もあれば、関節を動かす練習や、身体の使い方を見直すことが必要な場合もあります。
身体の状態に合った方法を見つけ、少しずつ取り組んでいくことが、柔軟性を高めるための第一歩です。
「毎日ストレッチしているのに、なかなか変わらない……」
そんな方は、一度ストレッチの方法を見直してみませんか?
伸ばすことだけにこだわらず、身体全体の動きにも目を向けてみると、新しい発見があるかもしれません。
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【記事監修】
礒野 由希子
ストレッチトレーナー/タイ古式セラピスト
ストレッチ専門店で10年以上勤務し、2021年に銀座・新富町にパーソナルストレッチ専門店 tONE BY tONE -トーンbyトーン- を立ち上げました。
パーソナルストレッチとタイ古式マッサージを組み合わせたボディコンディショニングをご提供しています。
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