見落とされがちな“疲れ”の原因


「しっかり寝ているのに、なんだか疲れやすい」
「長時間座っていると、肩や腰が重くなる」
「以前より身体を動かすのが億劫になった」


このような悩みはありませんか?


疲れやすい原因には、睡眠不足や栄養バランス、ストレス、運動不足など、さまざまなものがあります。

その中で、意外と見落とされがちなのが「姿勢」と「背骨の動き」です。

実は、背骨の動きが小さくなると、身体の一部に負担が集中し、動くときに余計な力を使ってしまうことがあります。


今回は、背骨の役割と姿勢、疲れやすさの関係について解説します。


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姿勢が崩れると、疲れやすい身体になる?

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などで、同じ姿勢が続くことは多いと思います。


こうした生活習慣によって背骨を動かす機会が減ると、背骨やその周辺の関節が動きにくくなることがあります。

例えば、背中が丸まった姿勢が長く続くと、胸の部分の背骨(胸椎)が伸びたり、ひねったりする動きが小さくなります。

すると、本来は背骨も一緒に動くはずの動作で、足りない可動域を肩や腰などが代わりに頑張ることになります。


その結果、特定の筋肉や関節に負担が集中してしまう可能性があるのです。


たとえば、床に落ちたものを拾う動作の際には、股関節や腰が一緒に動きます。

ところが、股関節が硬くてうまく動かないと、腰が余計に曲がらないといけなくなるので、腰の筋肉や関節に負担がかかります。


それを日常生活の中で何十回と繰り返すうちに、腰に負担がたまり、やがて痛みとして現れることはよくよくあります。


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背骨の持つ力は、緩やかなカーブで発揮される

背骨は本来、緩やかにS字カーブを描くことで、重たい頭をうまく乗せ、衝撃を逃がす“サスペンション”のような役割を持っています。

このカーブが崩れ、反り腰や猫背などのいわゆる不良姿勢が続くと、衝撃を吸収する力が弱くなります。

すると、歩いた時などの衝撃がダイレクトに膝や腰にきたり、重たい頭を支えるために筋肉が必要以上に力を使わなければならなくなります。


筋肉ががんばり過ぎると硬くなり、血流が滞る原因になります。すると、細胞が酸欠になりやすく、痛みや疲労の蓄積につながるというわけです。


また、姿勢を保つために必要以上に筋肉に力が入っていると、身体を動かすときにさらに余計なエネルギーを使ってしまいます。


もちろん、姿勢だけが疲れやすさの原因ではありませんが、姿勢や身体の動かし方は、日常生活で感じる疲れやすさの要素の一つなのです。


そもそも背骨って何のためにあるの?重要な3つの役割

前の章で、背骨の役割の一つが衝撃を吸収する“サスペンション”ということはお話ししました。

その他にも、背骨は私たちが健康に生きていくために大切な役割をたくさん担ってくれています。簡単に、背骨の解剖学と3つの役割について紹介します。


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背骨は、首から腰まで24個の椎骨(ついこつ)が積み重なってできています。
※仙骨と尾骨を含めると、さらに骨が続いています。


骨と骨の間には椎間板というクッションのような組織があり、関節や靭帯、筋肉などと協力しながら身体を支えています。


そんな背骨には、大きく分けて3つの役割があります。



① 身体を支え、姿勢を保つ

背骨は、頭や上半身の重さを支える身体の柱です。

ただし、一本の真っすぐな棒ではありません。


首と腰は前方に、胸の部分は後方にカーブしており、これを生理的弯曲(せいりてきわんきょく)といいます。

この自然なカーブによって、身体にかかる負荷を分散し、歩いたり走ったりするときの衝撃を和らげています。

まさに、自転車や車のサスペンションのような役割ですね。



② 脊髄などの大切な神経を守る

背骨の中には、脳から続く「脊髄(せきずい)」という神経の束が通っています。

脊髄は、脳と身体の間で情報をやり取りする重要な通り道です。

例えば、手足を動かす指令を脳から身体に伝えたり、手足で感じた感覚を脳に伝えたりしています。

背骨は、この大切な脊髄を保護する役割も担っています。



③ 身体を動かす

背骨は、たくさんの骨が関節でつながっているため、さまざまな方向に動くことができます。


  • ・前に曲げる

  • ・後ろに反らす

  • ・左右に倒す

  • ・左右にひねる


こうした動きが組み合わさることで、身体をスムーズに動かすことができます。


たとえば、後ろを振り返るときには首だけでなく胸の背骨も回旋(ひねる)しますし、歩くときには胸郭や骨盤が連動して動いています。

つまり、背骨は身体を支えるだけでなく、全身の動きを生み出すためにも重要なのです。


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背骨は柔らかければよい、というものでもない


ここで注意したいのが、背骨は柔らかければ柔らかいほどよい、というわけではないことです。

大切なのは、必要なときに必要な方向へ動かせること。

そして、動かしたい部分を動かしながら、身体を安定させられることです。


たとえば、身体をひねるときには胸椎(きょうつい)と呼ばれる胸の部分の背骨と股関節がまわります。

一方で腰椎(ようつい)と呼ばれる腰の部分は、ひねり動作は苦手な構造になっています。

むしろ、腰椎は動きすぎず安定してくれていることで、ボルトのように固定する役割を担い、おかげで胸椎や股関節が動きやすくなっているというわけです。


実は、この腰の【動きすぎ】がかえって腰痛の原因になっていることは多いです。

腰は、骨と筋肉とそれから呼吸によって支えられ、あまり動きすぎないことで身体の安定役となり本来の機能を発揮するのです。


ひと口に背骨といっても、腰椎は安定役、胸椎は可動役、頚椎は下部が安定役で上部が可動役といったように、それぞれ役割があります。

ですので、自宅でストレッチをするなら、胸椎を動かすようなストレッチがおすすめです。


たとえば、キャット&カウやオープンブックストレッチなどはやりやすくて良いのではないかと思います。

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疲れにくい身体つくりは、背骨を動かすことから


年齢を重ねても若々しく元気な人は、背骨を動かすことが上手な人なのかもしれません。

背骨を前後に曲げる、左右に倒す、ひねる。こうした動きを日常的に行うことで、背骨やその周辺の関節を動かす機会をつくることができます。


もちろん、背骨の柔軟性だけで疲れやすさや健康状態が決まるわけではありません。筋力やバランス能力、持久力、睡眠や栄養なども大切です。

それでも、背骨がしなやかに動き、身体全体が連動することは、余計な力を使わずに動いたり神経や血流をスムーズに通すための大切な要素です。

つまり、最小の力で動き、疲労を回復するための血液を全身に届けるためにも、背骨のしなやかさは重要ということです。


「最近、疲れやすくなった」と感じたら、筋力や体力だけでなく、普段の姿勢や背骨の動きにも目を向けてみてください。



当サロンでは、お一人おひとりの身体の状態や姿勢、関節の動きを確認しながら、硬くなった筋肉や関節にアプローチしていきます。

自分では伸ばしにくい部分も、力を抜いてリラックスした状態で動かしていくことで、普段とは違う身体の動きを感じていただけます。

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  • 【記事を書いた人】

    礒野 由希子

    ストレッチトレーナー/タイ古式セラピスト

    クラシックバレエやダンスの経験から自身のケアとしてパーソナルストレッチを体感。その効果に感動し、ストレッチトレーナー専門スクールに通い技術を習得。ストレッチ専門店で10年以上勤務した後、2021年に銀座・新富町にパーソナルストレッチ専門店 tONE BY tONE -トーンbyトーン- を立ち上げました。

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